1994年に大山総裁が亡くなって、跡目問題で分裂してしまった極真会館。
分裂しないで1つの組織としてまとまっていた方が良かったとは思いますが、逆を言ったら分裂した事によるデメリットって何かあるのか考えた時、試合のレベルが低下した事意外、全く思いつきません。
極真の試合を楽しみにしているファンの目線からしたら「試合は1つで行なってほしい」と思いますが、デメリットはそれしか無くて後はメリットしかないんじゃないかと思います。
分裂騒動の試合レベルの低下の原因と、主なメリットを1つ説明していきたいと思います。
試合のレベル低下
これは誤解しないで頂きたいのですが、全体的な「試合のレベルの低下」であり、「選手のレベルの低下」ではないという事です。
トップ選手のレベルは分裂前と比べても遜色無く、レベルは高いと思います。しかし、そのレベルの高い選手の人数が少ないという事です。
現在の大会のレベルで比較すると、現在の準々決勝のレベルでようやく分裂前の3回戦(2日目初戦)位のレベルではないかと思います。
分裂した事による選手の分散が原因ですが、その影響で選手層が薄くなり、全体的な試合のレベルが下がってしまいました。
分裂前の参加人数128人を確保出来ていない
分裂当時は選手の確保が大変だったと記憶しています。
分裂前の話だと、無差別の全日本選手権大会に出場するというのは支部内でも選抜試合が行なわれて、上位数名が出場できる狭き門でした。
普段指導員として指導してくれている先輩達が、真剣に戦っている姿を初めて見て興奮したのを覚えています。
分裂してからは出場する選手が少なくなり、各支部の出場選手枠が拡大され、分裂前なら出場出来なかった人が出場できる様になっていった流れを見てきたので、選手層が薄なるのは仕方ない事だったと思います。
分裂した事によるメリット
女子部のフルコン試合の解禁
男子の選手確保が難しい事による副産物なのか、計画的に遂行されたのか分かりませんが、公式試合で女子部が解禁されました。
女子部の試合は分裂前は無く、参加するなら男子と一緒に出場しなければいけませんでした。
交流試合などでは、小学生のうちは女子のが身体が大きいので試合に出たい女子は男子に混じって試合を行なっている事もありましたが、中学生の部には参加する女子は居ませんでしたので、真面目に稽古している女子にとっては大きなメリットになるのではないかと思います。
次世代選手の居場所の確立
これは僕が個人的に感じている事なんですが、俗に言う「塚本世代」と呼ばれている世代の方達がキチンと評価されて、支部長を任せられて師範として道場を持てている事も大きなメリットだと思います。
もし分裂せずに今もずっと1つの団体として行動をしていたら、今でも所属している師範の下で「弟子」という扱いで師範にはなれなかったのではないかと思います。
試合でも結果を残し、新極真会の普及に大きく貢献している人が正当な評価を受けて、会社でいう「昇格」している姿を見ると「分裂して良かった」と思います。
まとめ
分裂したは良いが、他の極真を名乗る団体と何が違うのか?一般の人からしたら全く分かりませんよね。僕も正直分かりません。
多分、稽古稽古・移動・型などは変わらないでしょう。組手や試合のルールで細かいトコが少し違う程度ではないでしょうか。
その中で他団体との差別化を図り、オリジナリティを出そうと各々の団体が模索して動いていた25年間だったと思います。
それを差っ引いても分裂してからの行動力は目を見張るものがあり、新極真会は結果的に「今の時代」に上手くマッチしたと思います。
極真の看板を掲げている団体はたくさんあるので、自分のスタイルに合った団体を選択し、良い空手ライフを送って下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。