下段蹴りは組手では最も蹴られる回数が多い蹴りになります。
そんな下段蹴りを受けずに喰らい続けたらどうなるでしょうか?
あっという間にダメージが蓄積して立てなくなってしまいますよね。
そうしたら試合を勝ち上がる事はおろか、本戦すら戦い抜く事が出来ずに撃沈してしまいます。
下段蹴りの受け方で基本的な「スネ受け」を今日は解説していきたいと思います。
スネ受けとは
スネ受けとは、文字通り相手の蹴りを自分のスネで受ける事をさします。
下段蹴りを太ももに喰らってしまったら、ダメージが蓄積して自分の意思とは反して、力が入らなくなり立てなくなってしまいます。
なので太もも(筋肉部)ではなく、太ももよりも硬い「骨」で受けるというのがスネ受けになります。
スネ受けのやり方
組手で向かい合っている状態で、相手が下段蹴りを蹴ってきたとします。
蹴りの予備動作を察知する
蹴りを打つ時というのは片足になるので、蹴る前の予備動作がほぼ100%身体のどこかに表れます。
相手の蹴りの予備動作を見逃さない様に、相手の身体全体を注意して見ていて下さい。
1. 上半身が一瞬浮く
2. 蹴り足と同じ方の腕を振るので、腕を振り上げる動作をする
3. 重心が軸足へ移動する
予備動作の例を少し挙げましたが、蹴る前のこの予備動作の段階でこちらも受け始めないと間に合わないので集中して下さい。
例で挙げた予備動作は「結果的にこの動きをする予備動作」であり、実際には「ピクッ」とした段階で受け始めないと喰らってしまいます。
予備動作を察知したら受け始める
相手の予備動作を察知したら、こちらも足を上げて受け始めます。
この時にベタ足のカカト重心だったら、つま先に重心を移してから足を上げるという「2挙動」になってしまって受けが間に合わない事があるので、向かい合って集中している時はつま先重心で備えていて下さい。
最低でも「蹴り始め」と「受け始め」が同じタイミングじゃないと受けが間に合わないと思います。
スネで蹴りを受ける
相手の蹴りの軌道を確認して、スネで蹴りを受けて「スネ受け」成功です。
1. きちんと「スネ」で受ける
2. スネ受け時、受けている足は脱力して蹴りの力を受け流す
3. 目線とガードが下がりやすいので、目線とガードを上げて軸を崩さない様にする
注意点なんですが、まずはきちんとスネで受けて下さい。
「ただ足を上げただけ」の状態で受けてしまうと、最悪の場合スネの外側の筋肉に蹴りが当たってしまって立てなくなってしまいます。
これは根性で何とかごまかすとかムリで、着地した瞬間に力が入らずにダウンしてしまうので注意して下さい。
そしてスネ受けしている方の足のヒザから下を脱力して、相手の蹴りの力を流して下さい。
名前は「スネ受け」ですけどスネで迎え撃つというワケではなく、ヒザから下を「プラーン」と脱力して、ヒザの稼動方向に合わせてうまく蹴りの力を受け流すカンジです。
後は下段蹴りに意識がいくと目線が下がるので、目線を上げてガードを上げて下さい。
これは試合でもよく使われる技術で、下段蹴りを連発して意識を下に振っておいて、下段蹴りと同じ予備動作で上段蹴りを打つという事をされてしまう事があるので、目線とガードは上げた状態をキープです。
まとめ
スネで受けるというのは最初は痛くてムリかもしれませんが、慣れてくれば段々とスネも硬くなり受けられる様になってきます。
実際の組手でやってみろと言ったらタイミングもシビアで結構難しいですが、スネ受けが出来る様になればダメージも軽減されるので組手を有利に運ぶ事が出来る様になります。
相手もスネ受けされると蹴り足にダメージを負うので、スネ受けされるのを嫌がり、スネ受けされるのを敬遠して蹴りの頻度も少なくなります。
足首や足の甲にヒザが当たってしまったら最悪骨折するので、そうなると思い切り蹴れなくなるのです。
蹴りをガードできてダメージを無力化できるのと、相手の蹴りの抑止にも繋がるという一石二鳥の効果を発揮するので良い事尽くしですね。
タイミングが難しいですけど、練習して少しづつ成功率を上げていって組手を有利に運べる様になって下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。