攻撃をガードする時というのは、必ず「後手」に回っている時ですよね。
先に相手から攻撃を仕掛けられて、何の攻撃がくるのかを瞬時に判断し、その攻撃に対して避ける・またはガードをするという事になります。
という事はこっちが受けの動作を開始する時というのは、相手はもう攻撃をし始めていてその攻撃がこちらに向かってきているという事になりますよね。
コンマ数秒、判断が遅れてしまうと「ヤベッ、もう間に合わない!喰らっちまう!」って事になります。
攻撃が来るのが見えているのに、身体の反応速度の限界でもう間に合わないのが分かってしまっている時、どうすれば良いのかを解説していきたいと思います。
目次
攻撃は見えている
組手をやり始めの頃は、防御はおろかどう動いて良いのか分からず頭がいっぱいですよね。
それが慣れてくると、何が来るか分からない状態からの「生きた攻撃」が段々と見える様になってきます。
動体視力が上がってきて、相手の攻撃が見える様になってくるのです。
だけど「見える」と「反応できる」は全く違います。
もし反応出来てスネ受けが間に合うなら、過去にスネ受けの記事を書いたので時間がある方は読んでみて下さい。
見えているケド、反応できない状態
見えるというのは、タイムラグがほぼ無い状態で脳が認識できますよね。
それに対し身体が反応するというのは「脳が認識」し、「脳から命令」が送られて、ようやく「身体が反応」します。
この「脳が認識し、命令されている間」は「見えているけど動けない状態」になり、脳からの命令が身体に届くまで反応できない状態になります。
反応が遅れた時の対処法
組手の最中、相手が右下段蹴りを蹴ってきたとします。
察知が遅れてしまった状態
右の下段蹴りの予備動作の察知が遅れてしまってしまった状態です。
「来る!」と気付いた時にはもう相手の蹴りが発射されてしまっています。
この時は「蹴りが来る」と認識していますが、反応が遅れてしまって「受けの動作」に移れていません。
もう受けが間に合わない状態
そして受けの動作に入れる状態になった時には、相手の蹴りが接近していてもう受けが間に合いません。
ここからスネ受けを開始しても、足を上げた瞬間に太ももに下段蹴りを喰らってしまって、逆にダメージが大きくなってしまいます。
受けも間に合わないし、喰らうしかない。
こういう状態になってしまったら・・・。
超接近する
逆に踏み込んで接近する事によって、蹴りを喰らうのを回避する事が出来ます。
1. 狙われている方の足(左足)を前にして踏み込む
2. 相手の足と足の間に踏み込む様にする
3. 接近するので、相手の追撃に注意する
まずは、狙われている方の足(この場合は左足)を前に踏み込む様にして下さい。
そうする事によって対象物である自分の左足が、相手の蹴りのヒッティングポイント(スネから足の甲)よりも内側に入る為、蹴りが有効に当たらずにダメージを受ける事なく回避できます。
どのくらい踏み込めば良いのかというのは、相手の足と足の間に自分の左足を置く様にしてください。
この位の超接近で、ようやく回避できます。
中途半端に踏み込むと蹴りを喰らってしまうので、躊躇なく踏み込む事が大切です。
逆に右足で踏み込んだらどうなるのか
この場合、右下段蹴りに対して右足で踏み込んだらどうなるのでしょうか?
答えは簡単で、「普通に右下段蹴りを左足に喰らってしまう」です。
相手も蹴りの最中に急接近されたら蹴りにくくはなりますが、対象物である左足の位置はそのまんまなので取り合えず下段蹴りは蹴り込んできます。
まとめ
下段蹴りに対する反応が遅れてしまった時の対処法の一例を紹介しましたが、これは練習が必要です。
スネ受けは蹴りを受けたら防御成立ですが、これは接近した後どうするか考えていないと、結局追撃を喰らってしまうからです。
この技術は「受け」ではなくて、「体捌き」や「足捌き」で下段蹴りを喰らわない様に「捌く」という事なので、高等技術になります。
最初から上手く出来るワケがないので、まずは誰かに蹴ってもらって、それに対して踏み込んでみて「蹴りが当たらない感覚」を身に着けて下さい。
そこから「踏み込んだ後、どうやって動いて次につなげようか」など、少しずつ自分の中の引き出しを増やしていけば実際の組手でも使える様になります。
防御が上手くキマった時というのは、攻撃が上手くヒットした時以上の気持ち良さがあるので、練習して道場で試してみて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。