基本稽古では毎回行なっている回し蹴りですが、いざ組手で蹴りを出そうと思っても蹴り方が分からないですよね。
今回は組手の時の回し蹴りの蹴り方や、基本稽古の時の回し蹴りとの違いについて解説していきたいと思います。
基本稽古の回し蹴り
基本稽古で毎回行なう回し蹴りは、その場で動かずに空蹴りを行ないますよね。
基本稽古ではこの様に両手で帯の前(結び目)を持って蹴りますが、これだと上半身を使うのが難しいですし、組手ではこんな状態で蹴りは打たないですよね。
しかも号令に合わせて蹴っていると、号令が速かったら蹴りのフォームが崩れて流れ作業的に蹴ってしまう事もあると思います。
なので基本稽古では「不動立ちの状態から帯の結び目を持っての回し蹴り」に対し、組手では「組手の構えからの回し蹴り」を練習する必要があります。
1. 帯の前(結び目)を持って蹴るので、上半身が使えずに残ってしまう
2. 上半身を残した常態で、軸足を返して骨盤から下を回転させて蹴る形になってしまう
3. 号令に合わせて蹴るので、流れ作業になりやすい
組手の構えからの回し蹴り
組手の時は構えている状態なので、構えた状態からの回し蹴りを練習する必要があります。
まず左足前の、オーソドックスな組手の構えをします。
そして、ここから右足での回し蹴りの説明をします。
まずは右足(蹴り足)を少し後ろに引くと同時に、右手を上に振りかぶります。
そして振り上げた右手を振り下ろしながら、右足で蹴りを放つ。
この時に、蹴りを打つと同時に足首を返して、腰を入れます。
組手の構えからの回し蹴りの動作は、こんなカンジになります。
構えからの振りかぶり
構えた状態から振りかぶる時の腕は、顔の前に向かって振り上げるイメージで上げます。真上では無いので、注意して下さい。
そして蹴り足ですが、これも真後ろではなくてナナメ後ろに向かって引きます。
胴体は振りかぶったと同時に、軸は崩さずに左側へ若干反って下さい。
コツとして右手・胴体・右足が一直線というか、軽いアーチを描く様なイメージで振りかぶって下さい。
こうすると、右側の胴体部分の脇や腹筋(脇腹)がストレッチされて一瞬ピンッと張ると思います。
コレが重要です。
このピンッと張った状態から、筋肉が収縮する(縮む)力を利用して蹴る事によって威力が増すからです。
腕を振ると同時に蹴る
そして振り上げた腕を下に振り下ろすと同時に、蹴りを打ちます。
その時に軸足も返すと同時に腰を回転させて下さい。
腕を振った事によって、腰を入れた時に上半身が蹴り方向に流されずに残ってくれます。
1. 蹴り足をナナメ後ろに引く
2. 蹴り足側の腕を、顔の前に振り上げる
3. 胴体も少し横に反らせる。
4. 腕・胴体・脚の筋肉が伸び、ピンッとした感覚を得る様にする
5. 伸びた筋肉が収縮する力を利用し、腕を振り下げると同時に蹴りを打つ
まとめ
今回は組手で使う回し蹴りの蹴り方を紹介しました。
基本稽古とは違い、腕を振って蹴りを打つので最初はチグハグして蹴りづらいと思いますが、慣れてくるにつれて段々と蹴りやすくなってきます。
まずは動作を覚えて、動きにくいなりに先輩方のマネをして反復練習をしましょう。
自然と蹴れる様になり、余分な力が抜けてくると、今回少し触れた「上半身を使った蹴り」へと次のステップに上がれます。
足先だけで蹴っていたのが、上半身を使い、身体を使い、体重を乗せて蹴れる様になってきますので、頑張って練習して下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。