ボルダリングってご存じでしょうか。
最近流行っている、室内で行うスポーツクライミングの一種で、3~5メートル位の高さの壁を登るスポーツなんですけど。
昔やっていた事があってその経験談を語る事になるんですが、やる前までは「指先が鍛えられて、尚且つ握力も鍛えられるんじゃないか?」って、そう思っていたんですよ。
「違うの?」
そう思うじゃないですか。
これはやってから気付いたんですが、全く違うという事を先に言っておきます。
そしてやってしまうと取り返しがつかなくなってしまうという事も言っておきます。
何が取り返しつかなくなるのか?その説明をこれからしていきますので、よろしくお願い致します。
指の第一関節に負荷が集中する
クライミングスポーツ全般に言える事だと思いますが、レベルが上がってくると手でガバッと握り込める様な大きいホールド(人工的に取り付けてあるカラフルな突起物)は無くなり、指先の第一関節位の幅しか無いホールドが増えてきます。
もっと言うと第一関節の幅も無い、指先を立てて何とか引っ掛かる程度のホールドもたくさんあり、レベルが上がるにつれ指先に高強度の負荷が集中してきます。
「指が鍛えられてサイコーじゃん!」
って思うかもしれませんが、この「指先に集中して負荷が掛かる」というのが空手にとって致命的なマイナスポイントになってきます。
指の関節が変形する
そういう状況でボルダリングを続けるとどうなるかと言ったら、指の第一関節が反り返らない様に変形してきます。
クライミングは主に人差し指と中指を使うので、この2本が主に変形します。
どの様に変形するかと言うと、第一関節が太くなり、関節と関節の隙間も狭く埋まり、「反り返らない・反り返る方向に強い指」になってきます。
クライミングに適した指になるという事です。
この「クライミングに適した指」というのは「空手に適した指」ではなく、一度変形してしまうともう元には戻らないので、後戻りが出来ないので注意が必要だという事です。
拳が握れない指になる
拳が握れないとは
拳が握れないとはどういう事なのか。
これは、指先の第一関節が反り返らない様に変形したので、「反り返る方向に強くなった分、握る方向の動きを犠牲にした」という事です。
指先の関節が太く変形して、握る時に太くなった骨がジャマをして内側に曲がらなくなってしまうのです。
「そんなん根性でギュッと握れば解決だろ!?」
関節が折れるんじゃないか?っていう変な痛みがくるので、それはムリです。
これはクライマーあるあるで、クライマーは指先はフワッとしか握れなくなります。
ボルダリングを辞めても指は戻らない
それならボルダリングを辞めれば徐々に指が戻っていくんじゃないか?
僕も最初はそう思っていました。
「この曲げると指が痛いのは、ボルダリングをやっているから関節に軽い炎症が起き続けているだけだ。」
「確かに太く変形したけど、辞めれば徐々に細くなって元に戻っていくだろう。」
こう思っていました。
ちなみにボルダリングは指の腱を痛めてしまい、しばらく休養していたらそのまま行かなくなってしまいました。
辞めてから4~5年経ちますが、蓋を開けてみると指は太く変形したまま元には戻っていません。
拳ダコとかは時間が経過すると皮膚も薄くなってタコが無くなっちゃうのに、ボルダリングで太く変形した骨はそのままみたいです。
現在、指はボルダリングをやっていた頃と変わらず、1㎜も細くなっていません。
人差し指は、少しでも内側に曲げると骨がキシむ痛みが走る状態なので、フワッと拳を握っている形を作るのがいっぱいいっぱいです。
ギュッと指を折りたたんで拳を握り込む事が出来なくなったので、空手家としてはかなり致命的なんじゃないかと思います。
一度変形すると指は元には戻らないというのを実体験したので、もし空手に重きを置くのであれば注意して下さい。
まとめ
今回はボルダリングをやったら拳が握れなくなった話をしました。
ちなみにボルダリングは1年2~3か月くらいやっていて、登っていた壁のレベルは3級を登っていました。
ボルダリングのレベル的には中の上くらいでしょうか。
やってる時から指が痛いと思っていましたが、辞めた後も骨がそのまま元に戻らず、拳が握り込めなくなった事には「マジか!?」っていう感情はありました。
今でも思ってますけど。
たまに遊びで行くとかそんなカンジなら平気ですけど、変にハマッてしまって通うってなったら多分僕と同じ運命が待っています。
ボルダリング自体はとても面白く、指のケガも治っているので機会があったらまたやりたいとは思っていますが、空手に重きを置いて真剣にやっているというのであれば注意して下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。