極真空手に入門すると、定期的に交流試合が行われている事に気付くと思います。
最初は「試合とかオレは良いよ」と思っていても、通っていくうちに「誰でも出て良いなら、1回出てみようかな」となる人も多いと思います。
交流試合は自由参加なので、出たければ誰でも出る事が出来ます。
白帯・オレンジ帯の部とかもあるので、ホントに入門して間もない人でも出る事が出来ます。
しかし出るのは自由ですが、勝てるか勝てないかは全くの別問題です。
試合に勝てない人というのは、何回出てもホントに1回も勝てない事が多いです。
誰でも参加出来る反面、こういう人も多く居ます。
この勝てない人は、どうすれば勝てる様になるんでしょうか?
今回は、試合に勝てない人が勝てる様になる為にやるべき事を教えていきます。
よろしくお願い致します。
目次
試合に勝てない人の特徴
緊張して単調な動きしかしなくなる
試合に勝てない人を見ていて一番思うのは、試合になると緊張して練習の時の動きが全く出来ていません。
普段の練習では、ちゃんと距離を取って相手の動きも良く見ていて、空いてる所を狙って突きや蹴りを打てているとしましょう。
攻撃も中段~上段とかにも散らして「良いカンジ」に動けます。
普通に戦ったら普通に勝てるんじゃねー?という良いカンジの人が実際に試合に出ました。
そしていざ試合が始まったら、ただ力任せにワンツーをひたすら連打し、たまに下段を蹴るだけのマシーンの単調な動きしかしなくなります。
緊張して頭が真っ白になっているんですけど、一度こうやって試合に入ってしまうと「そういう流れ」になってしまいます。
試合経験が少ないとその「流れ」から脱却する術を知らないので、こうなったらもう試合が終了するまで直線的にワンツー下段しかしなくなり、判定で負けてしまいます。
全ての攻撃をフルパワーでやっている
これも試合で多いパターンなんですけど、「相手を倒そう」という意識が強過ぎて、全ての攻撃をフルパワーで攻撃する人が多いです。
気持ちは十分、分かります。
ですが現実的な話をすると、これは見てる側からするとただのスタミナの無駄使いであり、やっちゃったなっていう「負け」のニオイがします。
そのフルパワーの勢いが試合終了まで途切れる事なく続けば、判定で勝つ事が出来るでしょう。
ですが大体開始40秒~50秒位で息が切れて失速する事になります。
そうすると後半は前半よりも手数が減る事になるので、審判の印象としても「バテたな」というマイナスイメージになり、判定で相手に持っていかれます。
戦う前から気持ち負けしている
勝てない人というのは、戦う前から気持ちで負けています。
「相手、強そうだな」
「どんだけ強い威力で攻撃されるんだろう」
「殺されないよな」
こんな事が頭をグルグルよぎっているのではないでしょうか。
これは格闘技の試合に出る選手は全員そう思っている事ですから、そう思う事は変でも臆病な事でもありません。
ただ勝てない人というのは、こう思っている事で身体と動きが委縮してしまい、ただ亀の様の縮こまってガードを固めて攻撃の手数が圧倒的に減ります。
こういう人というのは、「カッコよくやられてる感」というのか、やられ方はだけはカッコイイというか。
何言ってんだ?って思うかもしれませんが、実際見ているとそういう戦い方をする傾向にあります。
結果、ただ「ヤラれに行った」だけで余計にダメージを増やすだけでなく、試合でも絶対に勝てません。
この3点セットで負けが確定する
勝てない人は大体この3つが当てはまると思います。
「ぅう、次がオレの試合だ。相手強そうだなー。大丈夫だよなー。」
委縮した状態で試合開始。
緊張で頭真っ白になり、ノーガードで必死にフルパワーでワンツー下段の連打。
後半バテてしまい、判定は相手に上がる。
これが勝てない人の負の連鎖になります。
勝つ為にやるべき事
試合内容を組み立てる
まずはノープランで試合に挑まない事です。
自分の得意な攻撃や攻めパターンが一つはあるでしょう。
下段蹴りなら下段蹴り、上段蹴りなら上段蹴りを生かす試合内容を、1~10までプランを組み立てる事から始めて下さい。
例えば、
開始30秒までは主に相手に攻めさせてスタミナを温存しつつ様子をみよう。
この時は相手のが手数が多くなると思うケド、気にせずに様子を見つつ、入れられる時に前足に下段を入れよう。
注意として、中段への蹴りは膝蹴りか前蹴りだけにして、回し蹴りでは中段以上の高さには蹴らない様にしよう。
隙あらば1分20秒位まで手数を増やしつつ、適当に突きを叩き込みながら前足への下段を出来るだけ集中的に叩き込む様にしよう。
相手が前足への下段を嫌がってスネ受けする様になった頃、前足に下段を叩き込む動作で上段回し蹴りを蹴ろう。
中段以上の高さには回し蹴りを蹴ってないから、回し蹴りの軌道に目が慣れていないハズだ。
ここで上段蹴りが入ったら、ここを起点にラッシュを仕掛けよう。
ガードされたら、ここからは中段以上の高さへの蹴りを全て解禁して、下段を入れつつ上段にも散らしてラッシュを仕掛けよう。
後半は相手も上段で一発を狙ってくるかもしれないから、上段へのガードは注意して固めて、手数を減らす事なく試合終了まで走り切ろう。
みたいなカンジで、ザックリとした試合プランを考える事が大切です。
プラン通りに行かない事も多いですが、ザックリと決めておくとその通りに身体が動いてくれます。
好きな女の子に告白する時、少しでも成功率を上げる為に告白する言葉を事前に考えて告白しますよね。
事前の準備、コレが大事です。
セコンドの声を聞く
セコンドの声を聞く事も良い事です。
何故なら、落ち着いて周りが見えていないとセコンドの声というのは全く聞こえないからです。
試合が始まったら、セコンドのみならず色んな人が大声で応援します。
試合をやっている側からしたら、誰が何を言っているのか聞き取りづらいです。
その中で、「そうだ、セコンドについてくれている人の声を聞いてみよう」と試合中に意識出来ると、目の前の相手しか見えていなかった景色が、フワッと試合全体の景色が見える様に変わります。
そうすると「下段効いてるよ!下段ー!!」という様に、大声でアドバイスを叫んでいる人の声が聞こえてくる様になるでしょう。
こうなったら緊張が解けて自分の動きを取り戻すキッカケになります。
「こんな1~2発下段入れた位で下段が効いてないって事位はオレにも分かりますよ!だけど効いてるよって応援してくれてアザッス!センパイ!」
という風になって気持ちに余裕が出来ます。
汗をかいておく
これも重要なんですけど、試合前に試合会場の周辺をジョギングなどして汗をかいておく事をオススメします。
緊張すると、動いていないのに心拍数だけが上がって息苦しくなり、余計に緊張してしまいます。
しかも緊張すると汗が出にくくなるので、汗をかく事によって汗と一緒に緊張も和らぎます。
「ジョギングなんかしたらスタミナ減るじゃん」
普段の基本稽古のがジョギングよりキツいんで、大丈夫です。
空手の稽古は気合いで声を出すんですぐに汗が出ますが、無言でジョギングしてると緊張もあり、中々汗が出ません。
多少「フゥ、疲れたー」位がちょうど良いと思うんで、自分なりの方法で良いですけど汗をかく事をオススメします。
試合を練習の様に、練習を試合の様に行う
極論してしまうと、試合は練習の様に行う様に意識し、普段の練習は試合の様な意識で行う事。
コレに尽きます。
なので試合をスパーリングの様な感覚で動ける様に、自分の中で意識する様にすれば勝てる様になるでしょう。
まとめ
今回は試合に勝てない人へ注意点とアドバイスについて書きました。
試合というのは強い人が勝つのではなく、「競技として強い人」が勝ち上がっていきます。
勿論強い人が勝つ事に変わりは無いんですが、「時間の使い方」、「審判や第三者からの印象操作」など、競技としての特性を理解し、攻略していく事が大事になります。
「向こうの攻撃なんて何も効いてないし、むしろオレの攻撃のが効いてただろ!?なのに何でオレが負けなの!?おかしくねーか!?」
っていう人はたくさん居ると思います。
そういう人は、印象操作で負けているんです。
内容的には互角でも、見た目で押してる様に見せれば勝てるんです。
なのでまずは落ち着いて自分の普段の動きをする事。
周りを良く見る事。
落ち着く事。
ココから意識していけば、自然に勝てる様になると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。