極真空手の試合のルールで、「足払いからの下段突き」が有効技として認められているのをご存じでしょうか。

 

直接打撃制の極真空手ではめずらしく、ダメージが無くても技有りが取れる唯一の有効技となっています。

 

白帯くん
オス!足払いからの下段突きって何でありますか?

 

黒帯先輩
足払いからの下段突きって、そのまんまの意味でさ!足払いで相手を崩して、タイミング良く下段突きを入れたら技有りを取れるんだよ!ただ、掴みとか一切無しでキレイに足払いをキメるっていうのもかなり難しいけどね!あと上手く決まってもあんま判定を取ってくれないから、これも難易度を上げている要因も一つになっている!

 

この足払いからの下段突きは有効技として認められているのも関わらず、審判もあまり取ってくれない為、もはや無理ゲーとなっているのが現状です。

 

どれだけ難易度が高いのかを今日は紹介していきたいと思います。よろしくお願い致します。

 

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第26回全日本大会から追加された新ルール

 

それまで足払いはノーポイントだった

 

足払いからの下段突きは「第26回全日本大会」で新たに追加された新ルールになります。

 

ちなみに第26回全日本大会は大山総裁が亡くなり、松井章圭氏が館長として初めて開催した、極真が一つだった頃の最後の全日本大会になります。

 

それまでは足払いの様なダメージの無いダウンはポイントにはならず、ただコケさせただけで終わっていました。

 

ただこれは例え足払いでコケさせたとはいえ、コケてダウンした時点で相手は「死に体」となっているにも関わらず、ルール上、ダウンしている相手に攻撃してはいけないので、足払いを決めた方は「決め損」の様な状態でした。

 

そこでの追加の新ルールで「足払いからの下段突き」が有効とされました。

 

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初めて決めた選手は富平辰文選手

 

新ルールが追加された第26回全日本大会で、早速決まった試合がありました。

 

青木英憲選手 vs 富平辰文選手

 

 

この試合の時点では、青木英憲選手は第25回全日本でベスト8に入っている実力者で、一方の富平辰文選手は18歳と若く無名でした。

 

多分、ほとんどの人が青木選手が勝つだろうと思って試合を観ていたと思います。

 

そして試合が始まった開始早々、青木選手がサイドステップした所に富平選手の右下段が上手く決まり、青木選手が膝をついて崩れてしまいました。

 

そこに富平選手の下段突きがタイミング良く決まり、新ルール適用後初の技有りとなりました。

 

技有りを取られたら技有りか一本を取り返すしか勝つ方法が無いので、試合はこのまま富平選手が判定で勝利となりました。

 

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現在は99%ムリなんじゃないか?

 

先ほど紹介した富平選手の足払いは技有りを取ってもらえましたが、もうこの技で技有りを取るのはムリなんじゃないかと思います。

 

僕が知る限りではありますが、足払いからの下段突きで技有りを決めた選手は、先ほどの富平選手と岡本徹選手しか知りません。

 

極真史上最高に足払いからの下段突きが上手い岡本徹選手

 

 

僕の中では、岡本徹選手は極真史上最高に足払いからの下段突きが上手い選手です。

 

この選手ほどキレイに文句なく足払いを決められる選手は他に居ません。

 

そしてこの岡本徹選手の第7回世界大会の模様なんですが、ほとんどの試合で文句なく足払いを決めているのも関わらず、一度も技有りを取ってもらえていないんです。

 

特に決勝戦でのムザファー・バカック選手との対戦では3回も足払いからの下段突きを決めています。

 

全て狙って足払いをしているので、下段を合わせたらたまたまコケたとかそんなレベルではありません。

 

僕の見る限りでは文句の無い、全てキレイな足払いからの下段突きです。

 

ここまでキレイに決めて「認めず」ってどういう事なんだ?と思うんですが。

 

例えていうなら、上段蹴りがキレイに入って相手がダウンしたにも関わらず、技有りを取らないのと一緒です。

 

「ルール上有効とされている技を決めているのも関わらず、実際は有効とみなされていない」のが現状です。

 

ここまでキレイに決めても技有りにならないのなら、もはや無理ゲーです。

 

ノーダメージというのが判定を微妙にする

 

多分というかコレしか無いと思うんですが、直接打撃制の極真空手の試合において、ノーダメージで技有りを取る事に審判も抵抗があるのだと思います。

 

例えば、下段蹴りに合わせて内股(インロー)に蹴りを合わせるという事はよくすると思います。

 

内股を合わせた時に、相手がバランスを崩して尻もちを着く事がたまにありますよね。

 

その時にいちいち下段突きを決めたからと言って技有りを取っていたら、実力云々ではなく「足払い出来たヤツが勝ち」という試合内容になっていくのが目に見えています。

 

なので判定を辛くして、「一応上手く決めたら技有りにもなりますよ」としているんだと思います。

 

判定として難しいのは分かりますが、ルール上有効と認めているなら、上手く決めたら一発目でも技有りを取るのがルールなんじゃないかと思うんですが。

 

足払いからの下段突きを決めても認めてもらえず、試合続行して判定で負けたとかなったらそれこそ「えっ?」ってなりますよね。

 

一応ルール上は認めているだけで、実際はほぼ発動する事がない幻の有効技になっているのが現状です。

 

まとめ

 

今回は「足払いからの下段突き」を紹介しました。

 

この技はやれば分かるんですけど、腕で相手の上半身を制しながらの足払いは簡単なんですけど、蹴りのみで足払いを決めるというのは相当難しいんです。

 

上手く決めても取ってもらえない「認めず」の判定の基準って何なんだろうっていつも思うんですよね。

 

ダメージのある有効技はすぐに判定に直結するのに、ダメージが無いけど有効技として認められているモノは判定に関係が無い。

 

試合を観てて「今の足払い、決まったんじゃね?」って思っても実際は99%は「認めず」です。

 

もはやこの技で決めるのはムリなので、選手として試合に出場する際はきちんとダメージを与えてポイントを稼ぎましょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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