格闘技の試合を観ていると試合終了間際にラッシュをかける光景をよく見ます。

 

極真空手の試合も例外無く、ラスト30秒位になると両者手数を増やしていって試合終了を迎える事が多いんですけど、このラスト30秒に特化して試合運びをする選手も居ます。

 

白帯くん
オス!やっぱ後半のスタミナがキツイ状況で手数を出した方が印象良いからではありませんか?

 

黒帯先輩
それはそうなんだけど、前半にほとんど手を出さず、後半に手数で圧勝した場合、判定はどうなるか分かるか?後半手数を出した方が勝つんだけど、コレっておかしいと思わないかな?

 

ラスト30秒で手数を増やしていくのは試合運びとしては合っていますが、ラスト30秒しか手数を出さないとしたらソレはどうなんでしょうか?

 

今回は「ラスト30秒ラッシュ戦法」について説明していきたいと思います。よろしくお願い致します。

 

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極真空手の基本的な試合運びとは?

 

極真空手の基本的な試合運びとしては、まずは「どう攻めていくか」とか「最終的にこの技で決めたいから、その技を決める伏線をはっていこう」とか「この技だけは喰らわない様に気を付けて立ち回ろう」とか、こんなカンジで試合運びを組み立てて臨むと思います。

 

大体は「最終的にこの技で決めたい」と思って臨んでいく事が多いと思うので、前半はその技を決める為の伏線作りに動いていく事になります。

 

例えば最後は上段蹴りで決めたいと思っていたら、後半のラスト20秒~30秒位までは下段蹴り中心に攻めて、中段以上の高さには回し蹴りは打たないで立ち回り、最後に下段を蹴る動きをして上段を蹴るみたいな動きをしていきます。

 

この「決めたい技のニオイを消して、意識を違う方向に持っていく作業」をしながら戦うのが基本的な立ち回り方になります。

 

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ラスト30秒ラッシュ戦法とは?

 

ラスト30秒ラッシュ戦法とは、そのまんまラスト30秒にラッシュを仕掛けて判定勝ちを拾う戦法になります。

 

この戦法を使う選手は、パワーがあるけどスタミナが無い重量級選手に多い様に思います。

 

前半はほとんど手を出さず合間にポコッと1~2発攻撃をする程度で、ラスト30秒になったら人が変わった様にラッシュを仕掛けて手数で圧倒する戦法です。

 

これだと相手は前半攻めている分、スタミナが無くなっているので手数で応酬するのは難しく、「ラスト30秒の手数の差」で負けてしまうのです。

 

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判定も少しおかしくないか?

 

コレ、いつも思うんですけど、あからさまなラスト30秒ラッシュ戦法で判定がそっちに上がるっておかしいと個人的に思うんです。

 

前半も同じ様に試合内容的に互角に渡り合っていて、最後の最後でスタミナの差が出たっていうなら全然おかしくないんですけど、これだと前半部分は判定の対象外みたいな扱いになってますよね?

 

一方は前半も手数をちゃんと出して攻めていて、後半は手数が少し落ちるにしろきちんと下がらず攻めている。

 

一方は前半はほとんど手を出さず、「コイツ全然手を出さねーな」って思った頃にポコッと1~2発返して「ちゃんと攻めてますよアピール」して、ラスト30秒になったら別人の様な動きでラッシュを仕掛ける。

 

トータルで見ると手数も含めて「前半から攻めている方」のが攻めているんですよね。

 

なのに判定では後半の怒涛のラッシュに付いていけなかっただけで「前半からトータル的に攻めている方」が負けてしまうんです。

 

前半部分は判定の対象外なのか?

 

さっきも少し書きましたけど、これだと前半部分は判定の対象外という扱いになっていますよね。

 

「後半ラッシュを仕掛けて圧倒してるけど、前半は手を出してなかったからトントンで引き分けだね」っていう、前半部分も考慮しての最終的な判定になればまだ良いんですけど、現状はなっていないと思います。

 

それならお互い「見」で良くないか?

 

現状だと前半いくら押していても、後半手数で負けると判定で持っていかれるので、それならお互いラスト30秒まで見合っていれば良いんじゃないかって思います。

 

見合っていれば良いは言い過ぎかもしれませんが、相手がラスト30秒ラッシュ戦法で来ると分かっているなら、コッチもラスト30秒まで手数を制限してラスト30秒のラッシュで引き分け狙いで割り切れば良いと思うんです。

 

そうすれば本戦・延長・再延長の3戦で合計1分30秒だけ動けば良い事になるし、しかも延長に入ってもラスト30秒まで1分以上あるからそれまで休めるからスタミナも回復するし。

 

再延長まで引き分けで行ければ、相手が重量級なら体重判定で勝ちを拾えるのでコレで良いんじゃないでしょうか。

 

相手も「ラスト30秒にラッシュを仕掛けて勝ちを拾う」と割り切っているので、こっちも割り切って「じゃあ俺もスタミナ温存してラスト30秒だけ攻めよう」とした方のが、正直に攻めて判定負けを喰らうより圧倒的にリスクが低いです。

 

そもそも実際の強さと関係が無い

 

そもそもラスト30秒ラッシュ戦法は実際の強さと全く関係が無く、「試合での印象を良くするだけ」の戦法なので、あからさまなラッシュ戦法で判定を持っていかれるのは個人的には少し違うと思っています。

 

まとめ

 

今回はラスト30秒ラッシュ戦法について紹介しました。

 

ラスト30秒にラッシュを仕掛けるのが悪いというワケではありません。

 

後半になるにつれてスタミナがキツくなるのは当たり前なので、そのキツい状況に中で手数を増やしていく事に意味があり価値があります。

 

前半も相手と同様の攻防を展開した上での「ラスト30秒」なんじゃないか?と思うのです。

 

あからさまにラスト30秒しか攻めていない選手に旗が上がる事に僕には違和感しかありませんが、それが「競技上」強くて戦法として成り立っているので、これはこれで極真空手の試合の楽しみの一つとして捉えています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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