極真空手の筋力トレーニングとして、「指立て伏せ」があります。動画とかでよく見る、「親指一本で指立て伏せ」とかやっているアレです。

 

空手バカ一代でも親指一本で逆立ちするシーンが出てきますが、指立て伏せをやったからと言って握力が鍛えられるかと言ったらそうではありません。

 

白帯くん
え?指立て伏せをやったら握力が鍛えられるんじゃないんですか?

 

黒帯先輩
間接的に握力は鍛えられるのかもしれないケド、アレは実際鍛えられるのは握力じゃなくてピンチ力っていう「つまむ力」だな!

 

なんで指立て伏せが握力強化にならないのか解説していきたいと思います。よろしくお願い致します。

 

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握力ってどういう力か?

 

握力とは読んで字の如く「握る力」なんですが、拳のどの部分を曲げる(握る)力なのかを説明します。

 

握力とは?

 

 

上のイラストで解説しますが突いた時に当てる部分、イラストの矢印で指している関節を内側に曲げる力が握力です。

 

ピンチ力とは?

 

 

そして指先の関節を内側に曲げる力がピンチ力(つまむ力)です。

 

同じじゃんって思うかもしれませんが、この2つの力は似て非なるモノになります。

 

白帯くん
つまむ力も握る力も同じ指先を内側に曲げる力じゃないですか?同じじゃないんですか?

 

黒帯先輩
全く違うと言っても良いくらい違うぞ!指立て伏せでは効率良く握力を鍛える事は出来ないんだ!

 

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指立て伏せはどこが鍛えられるのか?

 

例えば5本指で指立て伏せをする時、負荷が掛かっているのはどの指でしょうか?

 

5本の指に均等に負荷が掛かっているワケではなく、大体は親指に負荷が集中していると思います。

 

というと親指のピンチ力が主に鍛えられる事になり、他の4本は補助的に鍛えられる事になります。

 

親指のピンチ力って何?

 

親指のピンチ力というのは、「親指で押し込む力」です。何かをつまんだ時に、親指でギュッと押し込む(つまむ)力が鍛えられます。

 

親指以外の指は鍛えられない?

 

鍛えられますが、主に親指に負荷を掛けて指立て伏せを行なっていますので「補助的」なカンジで鍛えられる事になります。

 

ポイント
指立て伏せは親指のピンチ力が鍛えられるので、何かをつまんだり親指で押し込んだりする時は役に立つでしょう。経験談として、僕は中学の時に人差し指と親指の2本で壁を使っての逆立ちやディップスができましたが(指が引きちぎれる位痛かった)、当時の握力は55kgでした。拳を握るという事に関してはあまり効果が無い様に思います。

 

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指立て伏せをやる意味とは?

 

武道としての空手を追求するなら効果的

 

負荷の高い自重トレーニングをやるという目的ならば、普通の腕立て伏せよりも指立て伏せのが負荷が高くなるので効果はあります。

 

指の強さを鍛えられますし、自重トレーニングは身体を連動させて行なう全身運動になるので、身体の操作性を損なう事無く鍛えられます。

 

技を追求していくならば、ウェイトトレーニングよりも自重トレーニングで身体を鍛えた方のが良いと思うので、そういう意味では指を鍛えられる指立て伏せは効果があると言えます。

 

競技としての空手を追求するなら効果は出づらい

 

試合などの「競技としての空手」を追求するなら、ウェイトトレーニングをしてインスタント筋肉を付けた方のが効果は出やすいと思います。

 

白帯くん
結局、指立て伏せをやる意味ってなんなんですか?

 

黒帯先輩
より負荷を掛けて腕立て伏せが出来るっていうカンジになるから、技やスピード重視で戦うスタイルの選手やウェイトよりも自重トレーニングに重きを置いてる選手には良いと思うよ!パワーでゴリゴリっていうタイプには効果は薄いかな!

 

ポイント
武道として長期にわたって己を鍛えていくというならば、親指のピンチ力を鍛えられる指立て伏せというのは空手家にとっては効果があるのかなと思います。鍛えていけば相手のどこかをつまんで引きちぎれたり出来るのかもしれませんが、試合の様な「競技としての強さ」という事で言ったらほとんど効果は無いと思います。

 

 

競技上の強さを比べるなら指立て伏せも拳立て伏せも変わらない

 

試合の様な競技としての強さとして考えるなら、経験上指立て伏せも拳立て伏せも効果としては変わらないと思います。

 

握力が鍛えられるなら相手に与えるダメージが増えるので効果はありますが、握力アップにはそこまで期待出来ないので、むしろ拳が鍛えられる拳立て伏せのが効果はあるのかなと個人的には思います。

 

まとめ

 

指立て伏せをやったからと言って、握力強化にならないという事を紹介しました。

 

主に親指のピンチ力が鍛えられるので、親指を絡めて何かをつまむ行為をするのであれば効果はありますが、「拳を握り込む力」を鍛えたいのであれば効果はあまり無いです。

 

指立て伏せをやる様に、指を反らせて指でギュッと押し込むという事をするのであれば効果はありますが、そんな場面はほぼ無いので、現代の様な「競技としての空手」の強さを追求するならば指立て伏せでは無く拳立て伏せのが効果があると思います。

 

握力を鍛えたいのであれば、指立て伏せではなくきちんとした握力トレーニングをしましょう。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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