極真の試合は基本的に無差別なので、体格差のある相手と戦う事が基本になります。
自分のが体格が大きかった場合は有利に試合を運びやすいですが、相手のが体格が大きかった場合は普通に戦ってはこちらが不利になります。
体格差を攻略する事が勝利へのカギとなりますので、今回は自分より身長が高い相手と対戦した場合、どうしたら良いか解説していきたいと思います。よろしくお願い致します。
目次
身長差があるとお互いの間合いが違う
身長差があると、中途半端に距離を取っても相手の攻撃が届いてくる事があります。
これはリーチの差から来る間合いの違いで、「自分の攻撃は届かないケド相手の攻撃は届く」という危険な距離になります。
距離を取りたいなら更に2~3歩離れないといけませんが、そうすると相手の攻撃は当たりませんが、自分の攻撃を当てるのに1歩ではなく2~3歩踏み込む必要があり、相手の懐に入る動作が遅れてしまいます。
こうなると1歩踏み込んだ時に相手の攻撃を受ける事になります。上手く捌けて懐に入れれば良いんですが、ワンツーや蹴りで懐に入る前に突き放されてしまったら振り出しに戻ってしまいますので、この間合いを攻略する必要があります。
攻撃の打ち終わりを利用して懐に入る
お互いに構えている状態から、普通にスッと踏み込んでも相手の攻撃の餌食になるのは目に見えています。
こういう時は相手の攻撃の打ち終わりを利用して懐に入る様にします。
相手からの攻撃を誘い出す
相手の攻撃が当たるか当たらないかのギリギリの位置で踏み込む様な、攻撃を仕掛ける様な素振りを見せつつ相手の攻撃を誘い出します。
この時は踏み込む様な動きをするだけで、実際には踏み込みません。
踏み込む様な動きをする事で、相手は入ってきた所に攻撃を合わせようとする動きを見せます。
その動きや空気を読んで、踏み込んだ時に「多分この攻撃が来るな」と何となく分かるので、その攻撃を捌く準備をします。
突きなら大体ワンツーの様なストレート系が来る
離れた間合いから攻撃を仕掛けるという事は、攻撃の種類は大体絞られます。
突きなら下突きやカギ突きは離れた距離では届かないので、ほぼワンツーの様なストレート系が来ます。
踏み込むと同時に相手は攻撃してきますが、自分の読み通りの攻撃の範疇であればその攻撃を捌く準備をしているハズなので、頑張って捌きましょう。
踏み込んだ時の相手の初撃を捌けたら懐に入れるので、ここからこの距離をキープしながら戦えば身長差をカバーする事が出来ます。
蹴りなら、背足による回し蹴りか前蹴りが来る
これも突きの例と一緒で、離れた間合いだとヒザ蹴りはほぼ無いので、回し蹴りか前蹴りに絞られます。
なので前蹴りや回し蹴りが来たら、蹴り足を下段払いで捌きながら踏み込めば相手の懐へ入る事が出来ます。
回し蹴りが来た場合に限り、相手の内股へ蹴りを合わせる交差法を使う事も出来ます。内股を蹴った後の蹴り足をそのまま相手の股下に置けば、自然と懐へ踏み込める形となります。
接近したら接近した間合いを保つ様にする
相手からしたら身長が低い相手に懐に入られると逆に攻めづらくなるので、攻撃の勢いが弱まります。
こちらからしたら攻撃をするチャンスなので、この間合いを保ちながら攻めていく事になります。
ボディにワンツーやカギ突きを打ったり、下段蹴りで攻めるのがセオリーです。
この接近した間合い(突きの間合い)から上段蹴りを蹴れる柔軟さがあれば、中段や上段に蹴りを振るのも有りですが、蹴った時の片足になった不安定な所を狙われて突きで押し返されたら危険な間合いになってしまうので、むやみに上に蹴りを打つのは得策ではありません。
接近したままだと疲れるので、ヒット&アウェイを心掛ける
いくら接近した距離が都合が良いと言っても、体格差からくる攻撃力の差はあるので、接近したままではスタミナ的にもキツくなってきます。
なのである程度攻撃したら一呼吸置く為に距離を取り、また同じ様に懐に入って攻撃というヒット&アウェイを繰り返す事が身長差を攻略するカギになります。
ここで注意なんですが、接近した状態から離れる時というのは狙われやすいので、これも相手の攻撃の打ち終わりや、自分の攻撃の打ち終わりの動作を利用して離れる様にしましょう。
何の注意もせずに、いきなりスッと離れたら離れ際で攻撃を喰らいます。
まとめ
今回は身長差がある相手との組手の一例を紹介しました。
相手のが身長が高かった場合は、間合いの距離感の違いを把握しいつもより間合いを広く使う事が重要です。
体格差があるとパワーでゴリ押しする事が出来なくなりますので、技術で相手を上回らなければいけなくなります。
普段の基本稽古で中で2人1組で行なう、受けの練習を流してやらずに真面目に行なって受けのスキルを磨いていけば、こういう不利な状況になった時の引き出しが増えるので、普段の稽古を真面目に行ない技術で相手を上回る様にしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。