極真空手の試合ルールでは、手での顔面攻撃(正確には首から上)は禁止されています。
様は反則行為という事です。
コレは広く知られている「極真ルール」ですよね。
「極真は顔面パンチが無いから弱い」とよく言われる所以です。
こんなルールなのに、「手での顔面への牽制は自由」という事を知っていましたか?
広く知られている「顔面パンチは反則」という極真ルールにおいて、あまり知られていない「顔面への牽制は有り」という盲点を突いたルール。
今回は顔面への牽制について紹介したいと思います。
よろしくお願い致します。
ちゃんと試合規約にも載っている
新極真会の試合規約
【反則】
a)拳・手刀・貫手・肘等手技による顔面殴打及び首への攻撃。手先が軽く触れても反則となる場合も有り得る。ただし、顔面を牽制することは自由である。
新極真会の試合規約を確認すると、【反則】の項目にさりげなく「顔面を牽制する事は自由である」と記載されています。
コレは簡単に言うと「手で首から上を攻撃する事は反則で、触れただけでも反則取る事もあるよ。だけど牽制するのはOKね!」って事なんですが、なんで最後にこの一文を入れたんでしょうか?
牽制が「アリ」なら、顔面パンチ → 寸止め → 怯んだ隙に攻撃というコンボが出来てしまいます。
そりゃそうですよね。
「当ててねーんだから反則じゃねーだろ!牽制だよケンセー」って言われたら、試合規約に記載されている以上、審判も何も言えなくなってしまいます。
普通なら「牽制も禁止とする」が普通だと思いますが、牽制は自由という謎ルールなので、コレを活用して試合を組み立てれば有利に試合運びが出来るかもしれません。
そして、実際に試合で顔面への牽制を行った選手がいるので、その実例を紹介していきたいと思います。
顔面への牽制を行う塚本徳臣選手
塚本徳臣選手 VS 新保智選手
これは新極真会の第34回全日本大会の塚本徳臣選手と新保智選手の試合になります。
塚本選手は右足が前のサウスポースタイルで構えていますが、所々、右手の中指で新保選手の顔面を指さしする様に構えて牽制しています。
試合開始40秒辺りで、新保選手が牽制している手を払い落としていますが、目線上に手を置かれると視界が遮られて非常にやりづらいです。
こういう風に、要所要所で視界を遮って技を繰り出していけば、相手も面喰らって技をもらってしまうかもしれませんね。
塚本徳臣選手 VS 七戸康博選手
これは、実は前にも少し紹介した事があるんですけど、第26回全日本大会の七戸康博選手との試合で牽制を行っています。
開始1分10秒位の場面なんですが、一旦離れて「続行」の声が掛かった時、右手で顔面への牽制をして七戸選手の視界を遮ってから左の突きをボディに決めています。
第三者目線で見ると、一瞬の出来事で「こんなん意味あんの?」って思いますが、やられる側からしたらこの一瞬で無防備に攻撃を喰らう可能性が高まるので、命取りになりかねません。
やる側も顔面殴打と紙一重ですが、この様に上手くキマると試合を有利に持ち込めるキッカケになりますよね。
まとめ
今回は顔面への牽制について紹介しました。
普通、顔面攻撃は反則というなら、それを助長する顔面への牽制も反則にすべきなのに、何故か認められている牽制行為。
僕はこの試合規約を見るまでは「ズルくね?アレはアリなんか?」って思ってましたが、試合規約を見て衝撃を受けました。
わざわざ「牽制は自由」と記載してある以上、使ってみるのも面白いかもしれませんよね。
使ってみようかなーって思う人が居たならば、顔面殴打にだけは気を付けて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。