組手(スパーリング)をやっていて、皆がまず考えることはコレではないでしょうか。
「離れた位置から、どうやってきっかけを作ろうか?」
最初は離れた間合いから組手が始まるので、お互いが接近しなければなりません。
相手から仕掛けてくれれば、その攻撃を捌いてこっちのペースに持っていけたりもしますが、相手も同じ事を考えていたら膠着状態が続いてしまいます。
今日は組手で使える簡単なきっかけ作りを解説していきますので、よろしくお願いします。
目次
開始から初弾までのきっかけは大事
組手において離れた間合いから自分から攻撃を仕掛けるというのは、かなりのリスクがあります。
攻撃をした瞬間というのは大きな隙が生まれるので、相手にその隙を狙われてしまうからです。
だから皆はその「隙」を狙って相手からの攻撃を待つ事をしますが、そうするとお互いが見合ってしまって膠着状態になってしまって組手になりません。
離れた間合いから最初の一撃を加えるまでの工程は、組手の流れを大きく変えてしまうのでとても重要なのです。
内股蹴り(インロー)できっかけを作る
簡単というか、王道的なきっかけ作りとして内股蹴り(インロー)があります。
離れた間合いから
最初の離れた間合いです。
お互い蹴りもパンチも届かないので、ここから距離を詰めていかなければなりません。
お互いオーソドックスの構えでいた場合、自分も相手も左足が前になりますよね。
内股蹴り(インロー)
そしてここから、
前足(左足)で、相手の前足の内側を蹴ります。
あまり力を入れず、ボクシングでいうジャブの様な感覚で「スパーン」と蹴って下さい。
金的蹴りや前蹴りの様な、ヒザのスナップを効かせた蹴りです。
力を入れて蹴ると蹴り足のスピードも遅くなりますし、リキんでしまうと何かあった時の反応が遅れてしまうので注意して下さい。
今回の目的は相手にダメージを与える事ではなく、接近するきっかけとしての蹴りなので目的に合った蹴り方をしないとダメです。
そしてこの間合いを保ちつつ、1~2回チョイチョイ蹴って相手の反応を見ます。
内股蹴り(インロー)からのコンビネーション
反応を見て「ウーン、イケるかな?」と判断したら、
蹴りを打った「蹴り足」を引かずにそのまま前方に下ろすと同時に、ワンツーなどのコンビネーションにつなげます。
こうすれば蹴り足がそのまま踏み込みになるので、接近するきっかけになります。
この「いけるかな?」の判断は、内股を蹴っていても相手がコッチの様子を見てて踏み込んでこなかったりして、「後手」に回っていると判断したらイッちゃって平気だと思います。
蹴られても様子を見ているという事は、こっちが仕掛けるのを待っているという事ですから。
内股蹴りのメリット
2. ガードされにくい
3. 色々な用途に応用が利く
内股蹴りの利点を挙げました。
内股蹴りというのは、蹴りの軌道が回し蹴りと前蹴りの中間になるので、速い速度で蹴れます。
なので今回の様な踏み込むきっかけ作りに使ったり、技に合わせたり、リズムを作ったりするのに適しています。
内股蹴りはガードされにくい
内股蹴りはガードされにくい蹴りになるので、蹴ればほぼ当たります。
何故かというと、例えば左足でローキックを蹴ったら普通だったら相手の右足に当たるワケです。
なので相手は右足のガードをします。スネ受けです。
でも右足を上げてスネ受けをした所で、実際は左足に蹴りが来るのでこの時点ではもう避ける事は不可能です。
なのでほぼ当たるのです。
内股蹴りのデメリット
そんな万能な蹴りに思える内股蹴りにも、デメリットがあります。
それは内股蹴りで相手を倒す事はあまり期待出来ないという事です。
外モモを蹴られた時のダメージというのは強制的に立てなくなるダメージですが、内股のダメージって立てなくなるダメージではないんですよね。
「痛いけど立っていられる」みたいな。
なのでアザが出来て血管がチギれる様な痛みを感じていても、立ってられちゃうんでトップクラスの人間は倒れません。
もちろん100%倒せないかと言ったらそんな事はありません。
過去には内股蹴りで一本勝ちをした試合もありますが、僕の記憶ではほとんど無いです。
まとめ
この蹴りは万能に使える蹴りで、組手を有利に進める上で必須になる蹴りになるので様々なバリエーションがあります。
その中で接近する時に使用する例を今日は挙げましたが、この使い方は基本の使い方になるので実際の組手でぜひ使ってみて下さい。
内股蹴りが自然と出せる様になれば、組手の引き出しの数もおのずと増えていく事でしょう。
また次の機会に違った使用方法を紹介していきますので、その時はよろしくお願いします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。