蹴り主体で組手をしている人は、上段蹴りを主軸に組手を行なう様になると中段蹴りと下段蹴りがヒットする確率が上がります。
それは何故かというと、蹴りのモーションをした時に相手はまず上段蹴りを警戒する様になるからです。
上段蹴りを主軸に組手をすると中段蹴りと下段蹴りが入る様になる理由をこれから説明していきます。よろしくお願いします。
一般的な極真の組手は接近戦からの下段蹴り
一般的に、極真空手の組手は接近してパンチを何発か打ち込んで下段蹴りに繋げる。こんなカンジの組手が多いですよね。
これはほとんどの人がこのスタイルで組手をしていると思います。トップ選手も例外ではありません。
極真ルールで組手をすると、必然的にこうなってしまいます。接近してからのパンチを打ち込み、パンチが来たら下受けや外受けでガードしてクリーンヒットを防いで、最後に蹴りまで繋げる。
このスタイルが悪いワケではありませんが、皆がこのスタイルでやると「このスタイル」に特化した人が勝つだけです。
この接近戦の弱点を突いていく組手をすれば、逆に言えば勝てる様になるという事です。
上段蹴りを連発するとどうなるか
取り敢えず、上段蹴りを主軸に組手をしてみましょう。入る・入らないという事は気にしなくて良いです。
「このタイミングじゃ絶対入らないな」とか、「いきなり蹴ってもガードされて終わるだけじゃん」というのはムダな考えです。
けん制するカンジで相手の前足の内股に蹴りをパシッと蹴る事、よくありますよね?その時って「内股を効かせてやるぜ!」って意気込んで魂を込めて蹴りますか?多分、そういう時は間合いを詰める時などのキッカケ作りに蹴っていると思うんですが、その感覚で上段を蹴るのです。
内モモや下段蹴りを蹴る頻度で上段蹴りを連発したらどうなるかというと、2分間のスパーリング中に何回かは惜しい当たり・もしくは1発は当たるのではないかと思います。
この「惜しい当たり」の蹴りを出せた時、相手は初めて上段蹴りを警戒してくる様になります。この状態になれば下準備完了です。
上段以外のガードが手薄になる
相手が上段蹴りを警戒する様になると分かるんですが、こちらが蹴りのモーション(予備動作)をした時に上段蹴りをかわす様な動きをする様になります。
少し仰け反り気味にガードを上げるとか、サイドステップして上段蹴りの間合いを外してくるとか、普段してこない動きをしてきます。
この状態になったらこちらの望んでいた展開に持ち込めたも同然です。
上段蹴りを主軸に組手を進める事は変えずに、「あ、ガードを上げた」となった時に中段蹴りを叩き込めば中段に蹴りが入ります。
下段も一緒で、上段を警戒して相手が動いたら上段に意識がいってる分、下段に入る確率が上がります。
この時に注意点なんですが、上段蹴りを蹴るモーションで中段蹴りや下段蹴りを蹴るという事です。
相手に「上段蹴りが来る」と思わせておいて上段以外の蹴りを蹴るというのが重要になります。
まとめ
普段、上段蹴りを連発するという事はしない人がほとんどではないでしょうか。
僕は蹴り主体の人間で、股関節も柔らかいので上段蹴りを多様するんですが、突きや下段蹴りと同様に上段蹴りを多様していると普通の状態で上段蹴りが入る様になります。
これは数を打ってるから入るという事ではなく、「このタイミングでこの角度で蹴れば入る」とかが感覚で分かる様になってくるのです。
例えば下突きとかでも、ずーっとそればっか打ってたら「こうすれば入る」というのが感覚的に分かってくると思うんです。
スキルが上がるというヤツです。
こうなったら相手が自分の事を知らなくても、早い段階で「上段を警戒する状態」に持ち込む事が出来てこちらのペースで組手が出来る様になるので、僕がオススメする組手の展開方法です。
単純に上段蹴りのスキルが上がれば技有りや一本が取れる様になるので、それだけでもこの組手スタイルの副産物になるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。