極真空手の試合を見ていると、突いた手を引かずに、そのまま連続して同じ手で突いている光景を良く見ます。
例えば右の突きを突いたとしたら、右→右という風に、同じ手で突いている光景です。
あの、同じ手での連続突きには何の意味があるんでしょうか。
同じ手で連続して突く行為は、押す目的で突いている事が多いです。
今日はその「同じ手での連続突き」について解説していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
目次
押す目的で使われる事が多い連続突き
女子選手が多く使う連続突き
この連続突きは、男子ではなく女子の試合で多く見られる光景です。
例として、新極真会の南原朱里選手と、芦原会館の菊川結衣選手の試合ではこの光景が多く見られます。
二人とも突きが得意な選手で突き主体の組手を展開するのですが、1発目を打った後に突き手を引かずに右→右、左→左という様に、同じ手で連続して突きを放つ場面が多いです。
1発目の突きは普通に打って、そのまま突き手を引かずに同じ手でグイグイっと突いていくあのパンチです。
ブッチャケ効くの?
あの突きで相手にダメージを与える事が出来るのかと言われると、結論から言うと効かせる事は難しいです。
もちろん1発目はダメージを与えられます。
ですが突き手を引かずに間髪入れずに放つ2発目は、ダメージ目的というより、「突き手で相手を押す目的」で使っています。
当たり前ですが、効かせる事が出来れば相手は単発でも自然と下がっていくモンですが、正面から力で押そうとすると、こういった突きの使い方をしていく事になっていきます。
何故連続突きを使うのか?
防御力に比べ、攻撃力が低い事が考えられる
これは女子選手の攻撃力と防御力の差がそうさせていると考えられます。
防御力(打たれ強さ)に比べ、攻撃力が低いんです。
男子はウェイトトレーニングなどで100kg以上扱える筋力が付き、その筋力でブッ叩くと、タイミングが合えば肉体の耐久力を超えたダメージを与えられられる事があります。
ですが女子はそこまでの筋力(パワー)が付かないので、「ウッ、少しキツいか!?」と思うダメージはあるにしろ、何とか耐えられてしまいます。
なので、1本はおろか技有りすら中々取れない状態なので、押していって優勢勝ちを狙わなければならなくなります。
なので突き手でグイグイ押して、少しでも試合を優勢に進めなければならない状況が、あの様な連続突きに繋がっています。
連続突き前提で打つ突きは効きづらい
効かせようとしてきちんと打つ突きは、打つ前から「単発で打つ突き」として準備して打つので、効かせようとして打った後に連続突きに派生する事はあまり無いと思います。
それとは逆に、連続突きを打つ時というのは「相手を押して下がらせたい時」に使うので、突きを打つ前から連続突きを打つ前提で突きを放ちます。
前のめりになって押そうとします。
身体の使い方や使う筋肉が違いますので、効かせづらくなります。
突き手が相手に触れてからグイッと押す突きというのは、ダメージに直結しづらく効きづらいです。
男子の様に身長差10㎝以上、体重差20kg位ある相手と戦った場合は、押し込む様な押しつぶす突きでも効いてしまいますが、女子では難しいです。
まとめ
今日は同じ手で連続して突く「連続突き」について解説しました。
連続突きは女子選手に多く見られる突きですが、これは押し込んで優勢に試合を進めようとする、フルコン空手独特のテクニックではないでしょうか。
効く、効かないで言ったら効かない事がほとんどですが、押し込めれば試合の印象は良くなるので、競技としての技術としては全然有りです。
効かせる目的の突きと上手く使い分けて、組手で試してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。