新極真会の試合を観ていると、試合場の横で人が指示を出しているシーンをよく見ます。
あれはセコンドなんですが、昔は人数制限がなく、セコンドに何人つこうが自由でした。
しかし、今はセコンドの人数が3人って決まっていて、人数に制限が掛けられています。
昔は自由にセコンドに入れたのに、今は厳しく制限されているのは何でなのか?
今回はセコンドの人数やマナーに厳しくなったきっかけを紹介していきたいと思います。よろしくお願い致します。
昔はセコンドの人数に決まりは無かった
昔というのは分裂前ですけど、当時はセコンドの人数に決まりはなく、手が空いていてセコンドに付いて応援できる人は駆り出されたりする光景がありました。
セコンドが多ければ選手は気持ち的にも後押しされますし、観戦している側も多い方に目がいってしまいます。
片方がずーっとワーワー応援されていると、「これなら引き分けかな?」くらいの微妙な優劣だと若干押しているんじゃないか?と錯覚するし、微妙に押されてるっていう時も「何とか粘って持ち堪えてる!」と見えたりする事もあります。
逆に押してる側の印象が「押し切れなかったからこれなら引き分けだな!」と印象付けられてしまったりするので、数で応援する効果は最後の最後のほんの一押し程度はあるんじゃないかと思っています。
審判は周囲の声に関係無く、試合内容のみで判定を下しているとは思いますが、試合の雰囲気や声はモロに聞こえているハズなので感じている事は一緒です。
なので人数集めてセコンドに付いて応援すれば「効果は無くはない」という事になります。
第28回全日本大会がきっかけだと思われる
僕は当時、第28回全日本を観に行きました。現新極真会、昔でいう支部長協議会派が開催した大会です。
この大会は塚本徳臣選手が最年少世界王者になった翌年の全日本大会で、塚本選手も出場するとあってとても盛り上がった大会でした。
その中で、セコンドにもルールを決めた方が良いのではとなった試合がありました。
塚本徳臣選手vs岡本徹選手の試合
塚本選手は準決勝まで、1試合を除いて全て本戦1本勝ちという破竹の勢いで勝ち上がっていました。
映像ではなく、生で見ていても蹴りが速過ぎて何で倒れたのか分からない位の動きのキレで、とてつもない強さだったのを覚えています。
そして向かえた準決勝戦。岡本選手は打たれ強く、防御力と下段蹴りに定評があるのでとても楽しみな試合になりました。
試合開始前になり、選手と共にセコンドも来たんですが、この時に岡本選手側にとてつもない数のセコンドが大挙して押し寄せてきたんです。
当時の印象では、セコンドというより道場性が全員で押し寄せて来たんじゃないか位の人数が居た気がします。
当時の記憶でしかないですけど、試合場の横に人が入りきらず、選手が入場してくる通路にも人が居たんじゃないかと思います。
「何人いるんだコレ!?こんなんアリなのか!?」
多分あの会場に居た人のほとんどがこう思ったのではないでしょうか。
そんな雰囲気で試合は始まりました。
一発ごとに拍手と大歓声が沸き起こる
試合開始すると、岡本選手が下段蹴りを一発入れるたびに拍手と大歓声が沸き起こる異様な雰囲気になりました。
一本勝ちで勝利したんじゃないか位の拍手と大歓声が下段蹴りを一発いれるごとに起こるのです。
圧倒的な数の大声援で「うるさ過ぎる」という印象だったのを覚えています。
試合を観つつも、「何人居るんだ?」というのが気になって、どこまでセコンドが居るんだろうと気になってしまいました。
試合は再延長までもつれて塚本選手が優勢勝ちを収めましたが、この試合がきっかけで、セコンドにもルールや決め事を作った方が良いのではないかという動きになっていったという話を、当時道場でしていた記憶があります。
まとめ
これはあくまで当時の記憶と、先輩方との会話の内容と、僕の個人的な見解なので「違うだろ?」ってなるかもしれませんが、そこはご了承下さい。
セコンドもいずれはルール化する流れだったとは思うので、これが原因というワケではありませんが、一つのきっかけになった事は間違いないとは思います。
当時の道場内での会話では、この試合のセコンドの話題はかなり上がっていました。
「あれは流石にやり過ぎじゃないか?」となって、「でもセコンドの決まりは無いからなー」となって結局は終わるんですけど。
現在はセコンドの人数やマナーも決まりがあり、試合中にセコンドが試合場を叩いたりすると「試合場に手をつかない様に」という注意のアナウンスがされたりして、セコンド側のマナー順守も厳しくなっています。
選手が純粋に試合に集中出来る環境が整っているので、とても良い事ですよね。
試合を観戦する際は、観客もマナーを守って「良い大会」を作っていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。