基本稽古や移動・型を行なっていると、必ずと言って良いほど言われますよね。
「軸を意識して下さい」と。
実際存在しないはずの「軸」とは何なのか?
こんにちは。こうやって基本的な事を振り返りながらブログを書いていると、改めて勉強になる事や気付く事があって、自分の為にもなっている今日この頃です。
今日は最初に教わる事であり、もっとも大切な事である「軸」について解説していきたいと思います。
軸とは何か
事あるごとに「軸を安定させてください」と言われますが、そもそも「軸」ってどこにあるんでしょうか?実際身体の中には「軸」なんて無いのに、安定させるもクソも無い気がしますよね。
これは「実際には無いモノ」を「存在するモノ」として意識する事で、身体がまっすぐ保たれて挙動が安定することを意味します。
じゃあどの部分に「軸」を意識すれば良いのか?
上のイラストで説明します。
身体の中心に線が引いてありますよね。
頭のてっぺんの真ん中から股間まで串をズブッと刺した様なイメージをして下さい。これが「軸」です。
勘違いしがちなんですが背骨ではありません。背骨よりも身体の内側、身体の中心です。
身体の中心に一本の棒が通っていると意識する事で、姿勢が安定してくるのです。
軸が崩れるとどうなるのか
中心の軸がズレたコマは、回転が安定しないですぐに倒れてしまいますよね。
これと同じことが人間にも起こるのです。
「軸」が無かったり、「軸」がブレていると挙動が安定せずに人間の体勢はいとも簡単に崩されてしまいます。
コレはどんな怪力マッチョの人間相手でも同じことなのです。
コマも人も考えは一緒です。
「軸」が崩れていると、まっすぐな姿勢を保てていないという事なので、姿勢をまっすぐにしようとします。
そうすると姿勢をまっすぐにしようとする体力(スタミナ)を使う事になります。
という事は「軸」がまっすぐに保てていないだけでスタミナを消費していく事になるのです。
1. バランスが崩れる
2. 重心が崩れる
3. スタミナを消費する
軸を作る
「軸」を作るにはどうすれば良いのか?
手っ取り早い方法があれば紹介したいのですが、これはもう自分で「身体の中に一本「軸」が通っている」と常日頃から意識して行動するしかありません。
電車に乗っている時、机に座って作業している時、歩いている時、料理している時。
プライベートな時間も含め、全ての時間で「軸」を意識して行動していると、本来存在しないはずの「軸」が段々と身体の中に出来てきます。
筋肉的な話をすると、軸を安定させるのは体幹部のインナーマッスル(腸腰筋)や背筋の脊柱起立筋とかになると思うんですけど、表面的にただ筋肉を鍛えただけでは「軸」は出来ないと思います。
「軸」は出来ないというか、筋肉を鍛えて体幹がしっかりしていれば姿勢は安定すると思うんですけど。それは「軸」とは少し違います。
頭から股間まで身体の中心にブスッと串が突き刺さっている事を前提に行動する様にする。
猫背にならない。反り返らない。休めの様に片方に重心を掛けてクニャッと立たない。突き刺した串を中心に身体を回転させる様にする。
簡単な事をあげるとこんなトコですが、常に意識して行動するのと意識しないのとでは雲泥の差があります。上記の事を意識して生活していると、
ボディを打たれた時に前のめりにならない。胸にパンチを喰らった時、押されて反り返らない。片足重心にならない。突きや蹴りを打つ時に「軸」を中心に身体を回転させて打てる。
こうなります。
このコマのイラストと同じ様に、身体に「軸」が出来てくると姿勢や挙動が安定してきます。
パンチや蹴りを喰らった時に、構えた状態を崩さずに耐える事が出来る様になってくるのです。
逆に自分で攻撃を打つ時にも姿勢や挙動が安定するので、無駄に力が逃げずに効率よくダメージを与えられる様になってきます。
1. 姿勢や挙動が安定する
2. 攻撃を受けた時、体勢が崩れない
3. 自分の力を効率良く使える様になる
4. プライベートでもピシッとなり、ナヨナヨしなくなる
まとめ
軸というのは本当に大切で、一生掛けて少しづつ作り上げていくものになります。
年季を掛けて意識して作っていって、少しづつ軸が強く太くなって安定してきます。コレはもう年単位の年月が掛かります。
入門して、稽古で色帯の先輩を叩いても先輩は崩れませんよね。
これは茶黒になっても同じで、全日本トップ選手とスパーリングしてもコッチは崩されるのに向こうは崩れないしビクともしません。
逆にビクともしなさすぎて攻撃したコッチが崩れちゃうみたいな(笑)
組手の最中にはわずかな軸の傾きなんかは分からないので、基本稽古・移動・型をきっちり真面目に行ない、鏡を見ながらミリ単位の修正を繰り返して「軸」を作りあげて行って下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。