人によって「右利き」「左利き」ってありますよね。
右利きと左利きの割合いは9対1で、10人に9人が右利きに当たるとの事なので大体の人は右利きだと思います。僕も右利きです。
当然パンチや蹴りを打つ時も、「打ちやすい」「打ちにくい」だけで言ったら右のが打ちやすいですが、ミットを持ってもらって蹴りの練習をしていると「左のが強い」と言われる事がよくあります。
逆にミットを持って他人の蹴りを受ける時も「左のが強い」と感じる人が多いのではないでしょうか。
この利き脚ではない方のが強い理由を解説していきたいと思います。
目次
利き脚での蹴りは「力み」が生じる
利き脚で蹴ると蹴りやすいですよね。コントロールも効くし微調整も出来る。
多少体勢が崩れても、崩れた態勢のまま力の入った蹴りが蹴れます。「蹴ってる感」を自分でより味わえるのは利き脚の方です。
1. コントロールや微調整が効く
2. ある程度体勢が崩れていても力を込めて蹴りが打てる
3. 蹴っている側からすれば「蹴ってる感」が強い
4. 蹴り足の調整が効くという事は、蹴り足に余分な力が入ってしまっている
利き脚ではない方の蹴り足は脱力している
逆に利き脚ではない方で蹴った場合、蹴りにくいですよね。
この蹴りにくいというのがミソで、これは裏をかえせば「力の入れ方が分からない」という事です。
そうするとどうやって蹴ろうとするのかと言うと、身体を使って蹴ろうとします。
ミットを目掛けて蹴りを打ちますが、蹴り足にどうやって力を入れて良いか分からない。そうすると上半身を使って蹴り足を上手くミットに導こうとします。
蹴り足が脱力状態で、上半身(身体)を使って蹴るので重く威力のある蹴りになります。
これが利き脚ではない方が蹴りが強い理由になります。
1. 蹴りにくいので、蹴り足が良い具合に脱力状態になっている
2. 身体を使って蹴り足をコントロールしようとするので、結果的に身体を使って蹴れている
3. 利き脚と同じ事を全て出来るかといったらそうではない
利き脚でしか出来ない蹴りもある
蹴りのバリエーションの数は利き脚のが多い
これはもう蹴りのバリエーションの数で言ったら利き脚には勝てません。
回し蹴りや前蹴り、ヒザ蹴りなどは利き脚とか関係無く蹴れる様になりますが、回転系の蹴りになってくると厳しくなってきます。
後ろ蹴り(飛び後ろ蹴り)や後ろ回し蹴り、胴回し回転蹴りなどは利き脚ではないとムリです。
左での後ろ回し蹴りを蹴れる人はごく稀にいますが、これは相当練習した賜物であり、「格闘技習ってれば誰でも出来んじゃないの?」っていうレベルではありません。
形だけは蹴れる様になるかもしれませんが、試合で使えるレベルまで技術を高める事は難しいです。
下手に蹴ると蹴り足が「ペシャッ」と潰されてしまって、上手くダメージを与えられないだけでなく体勢も崩れる(尻もちをつく)ので印象も悪くなり試合では不利になります。
それぞれの利点を知って使い分ける
基本的に左の蹴りのが強いので、左を生かす為の動きに徹する事になります。
お互いオーソドックスの構えでいる場合、右に半身に構えているので、左の蹴りというのは的が大きい部分を蹴れるので非常に有効です。
向かって左側というのはレバーの急所があるので、左中段回し蹴りが有効になります。
利き脚よりも強い左中段回し蹴りでボディを攻めて、ガードが下がった所に左上段回し蹴り。
右は利き脚で何でも蹴れるので、左の蹴りを生かす為のサポート的な蹴りを多様しつつ、「イケる」と思った時に右でも攻めて行く様にして左右に散らしていけば組手にも「動き」が出てきます。
1. 左の蹴り(利き脚ではない方)のが強いので、左を有効に当てる様な組み立てをする
2. 右の蹴り(利き脚)は左を生かせる様なサポート的な攻めになる
3. 相手がサウスポーの場合は、逆になる
まとめ
利き足ではない方で蹴りを打つと、蹴り足が良いカンジに脱力状態となるのと、身体を使って蹴ろうとするので結果的に利き足よりも強い蹴り(重い蹴り)になります。
蹴ってる感触は利き足のが「蹴ってる感」があり、ミットにもメリ込んでる感触があるのに不思議ですね。
最初は蹴りにくいですが、練習すれば回し蹴りやヒザ蹴り・前蹴りなどは「左のが蹴りやすい」状態まで持っていく事が出来るので、利き足ではない方の蹴りを有効に使って試合を有利に運びましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。