極真空手の筋力トレーニングとして、「指立て伏せ」があります。動画とかでよく見る、「親指一本で指立て伏せ」とかやっているアレです。
空手バカ一代でも親指一本で逆立ちするシーンが出てきますが、指立て伏せをやったからと言って握力が鍛えられるかと言ったらそうではありません。
なんで指立て伏せが握力強化にならないのか解説していきたいと思います。よろしくお願い致します。
目次
握力ってどういう力か?
握力とは読んで字の如く「握る力」なんですが、拳のどの部分を曲げる(握る)力なのかを説明します。
握力とは?
上のイラストで解説しますが突いた時に当てる部分、イラストの矢印で指している関節を内側に曲げる力が握力です。
ピンチ力とは?
そして指先の関節を内側に曲げる力がピンチ力(つまむ力)です。
同じじゃんって思うかもしれませんが、この2つの力は似て非なるモノになります。
指立て伏せはどこが鍛えられるのか?
例えば5本指で指立て伏せをする時、負荷が掛かっているのはどの指でしょうか?
5本の指に均等に負荷が掛かっているワケではなく、大体は親指に負荷が集中していると思います。
というと親指のピンチ力が主に鍛えられる事になり、他の4本は補助的に鍛えられる事になります。
親指のピンチ力って何?
親指のピンチ力というのは、「親指で押し込む力」です。何かをつまんだ時に、親指でギュッと押し込む(つまむ)力が鍛えられます。
親指以外の指は鍛えられない?
鍛えられますが、主に親指に負荷を掛けて指立て伏せを行なっていますので「補助的」なカンジで鍛えられる事になります。
指立て伏せをやる意味とは?
武道としての空手を追求するなら効果的
負荷の高い自重トレーニングをやるという目的ならば、普通の腕立て伏せよりも指立て伏せのが負荷が高くなるので効果はあります。
指の強さを鍛えられますし、自重トレーニングは身体を連動させて行なう全身運動になるので、身体の操作性を損なう事無く鍛えられます。
技を追求していくならば、ウェイトトレーニングよりも自重トレーニングで身体を鍛えた方のが良いと思うので、そういう意味では指を鍛えられる指立て伏せは効果があると言えます。
競技としての空手を追求するなら効果は出づらい
試合などの「競技としての空手」を追求するなら、ウェイトトレーニングをしてインスタント筋肉を付けた方のが効果は出やすいと思います。
競技上の強さを比べるなら指立て伏せも拳立て伏せも変わらない
試合の様な競技としての強さとして考えるなら、経験上指立て伏せも拳立て伏せも効果としては変わらないと思います。
握力が鍛えられるなら相手に与えるダメージが増えるので効果はありますが、握力アップにはそこまで期待出来ないので、むしろ拳が鍛えられる拳立て伏せのが効果はあるのかなと個人的には思います。
まとめ
指立て伏せをやったからと言って、握力強化にならないという事を紹介しました。
主に親指のピンチ力が鍛えられるので、親指を絡めて何かをつまむ行為をするのであれば効果はありますが、「拳を握り込む力」を鍛えたいのであれば効果はあまり無いです。
指立て伏せをやる様に、指を反らせて指でギュッと押し込むという事をするのであれば効果はありますが、そんな場面はほぼ無いので、現代の様な「競技としての空手」の強さを追求するならば指立て伏せでは無く拳立て伏せのが効果があると思います。
握力を鍛えたいのであれば、指立て伏せではなくきちんとした握力トレーニングをしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。